「思考は現実化する」は、
本当なのか。
本当なのか。
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ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』。
自己啓発の世界では、あまりにも有名な一冊だ。
正直に言うと、タイトルだけなら僕も怪しいと思っていた。
考えれば叶う。
強く願えば、現実になる。
そんな話なら、読む価値はない。
でも、読んでみて印象が変わった。
書いてあるのは魔法ではなく、かなり地味で、現実的な話だった。
人間は、考えていないものを追いかけられない
「いつか何かしたい」と思っている人と、
「3年以内に、自分のサービスを作って、生活できるくらいの収入を得る」と考えている人がいる。
どちらも夢を持っている。
でも、日常で目に入るものは違ってくる。
後者の人は、何を作るか。誰に届けるか。どんな技術が必要か。誰から学べるか。そんなことを探し始める。
世界が変わったわけではない。
見る側が変わったのだ。
ヒルが書いているのは、「願望を行動の形にする方法」
ヒルは、願望を現実に変える手順として、たとえばこんなことを挙げている。
欲しいものを、曖昧にせず具体的に決める。
それと引き換えに、何を差し出すかを決める。
「いつまでに」という期限を決める。
準備が整っていなくても、計画を作って動き出す。
それを紙に書く。
毎日、声に出して読み返す。
「願えば叶う」ではない。
「願望を、行動できる形まで落とし込め」という話だ。
目的地が曖昧なままでは、どちらへ進めばいいのか分からない。
「ここへ行く」と決めて、初めて道を選べる。
願望は呪文ではなく、人生に方向を与えるものなのだと思う。
思考は、現実を直接変えない
ここは大事なところだ。
100万円欲しいと毎日考えても、銀行残高は増えない。
理想の身体を想像しても、筋肉はつかない。
本を書きたいと思うだけでは、原稿は一文字も進まない。
思考 → 判断 → 行動 → 継続 → 結果
思考は、その一番最初にある。
そして最初が変わると、そのあとの選択が変わる。
朝起きるか、もう少し寝るか。本を読むか、SNSを見るか。作るか、先延ばしするか。
一つひとつは小さい。
でも、一年、三年、十年と積み重なれば、大きな差になる。
現実化するのは、「繰り返された思考」かもしれない
一度思っただけのことは、すぐ消える。
でも、何度も考えていることは残る。
朝も考える。移動中も考える。寝る前にも考える。
そうすると、調べる。人に話す。試す。失敗する。また考える。
いつの間にか、その思考が生活の一部になる。
生活が変われば、現実も少しずつ変わる。
ヒルが「毎日読み返せ」と書いた理由は、ここにあるのかもしれない。
これは本にそう書いてあるという意味ではない。僕なりの解釈だ。
ただし、すべてが思考で決まるわけではない
生まれた環境。経済状況。病気。事故。景気。他人の判断。そして、偶然。
人生には、自分ではどうにもできないものがある。
だから、成功したのは思考が正しかったから。失敗したのは思考が足りなかったから。と単純に考えるのは違うと思う。
努力すれば必ず成功するわけでもない。
強く願えば、必ず叶うわけでもない。
それでも、自分で変えられる部分の中で、思考が大きな役割を持っている。
そこには価値がある。
この本は、答えではなく問いを突きつけてくる
読み終えて残ったのは、「信じよう」という気持ちではなかった。
むしろ、「自分は、何が欲しいのか。まだ曖昧だな」という気づきだった。
だからこの本は、やりたいことがなんとなくぼやけている人、考えてはいるけれど行動が続かない人、自己啓発は胡散臭いと感じている人に向いていると思う。
最後の人にこそ、読んでみてほしい。
疑いながら読んでいい。
鵜呑みにしなくていい。
全部を信じる必要もない。
自分の言葉で、「ここは使える」を見つける。
それが、この本のいちばんいい読み方だと思う。
「思考は現実化する」とは、どういうことなのか
僕はこのタイトルを、「考えれば、宇宙が願いを叶えてくれる」という意味には受け取っていない。
考える。方向が決まる。選択が変わる。行動が変わる。それを繰り返す。
その結果として、少しずつ現実が変わっていく。
「思考は現実化する」という言葉は、急に現実的なものに見えてくる。
最後に、ひとつだけ問いを残したい。
今、あなたが毎日のように考えていることは、どんな未来につながっているだろう。
その思考が、一年後の自分を作っているとしたら。
今日、何を考え、何を始めるだろう。
答えのヒントは、本の中にある。