日曜の夕方、テレビのエンディングが流れるころ、胸のあたりが重くなる。まだ月曜は来ていないのに、頭の中ではもう明日の会議が始まっている。
この感覚には、ちゃんと理由がある。
月曜より、日曜の夜がつらい
アメリカで約34万人の気分を曜日ごとに調べた研究では、週末に気分が良くなる「週末効果」ははっきり見られた一方で、月曜だけが特別に落ち込む「ブルーマンデー」は、思われているほど大きくなかった(Stone et al., 2012)。
だとすると、つらさの中心は月曜そのものではないのかもしれない。月曜が来ることを予期している時間、つまり日曜の夜にあるのではないか。まだ起きていないことを、頭の中で先に体験してしまう。それが日曜の夜の重さだ。
週末に満たされているもの
では、なぜ週末は気分が良いのか。単に「休めるから」ではない。
Ryanらは、働く人の気分や活力を日ごとに追跡し、週末に気分が良くなる理由を調べた(Ryan, Bernstein & Brown, 2010)。週末効果の多くを説明していたのは、自律性(自分で選んで行動できている感覚)と、関係性(人とつながっている感覚)が満たされることだった。
ここから見えてくるのは、日曜の夜の憂うつは、週末に満たされていたものが平日には失われるという予感だということだ。
だから、日曜の夜の重さは一つのサインになる。それが極端に重いなら、今の仕事で「自分で決められること」や「つながりを感じられる人」が少なすぎるのかもしれない。
仕事から「離れる」ことの大切さ
もう一つ、日曜の夜を重くするものがある。週末も仕事のことを考え続けていることだ。
Sonnentagらの研究では、仕事が終わったあとに心理的に仕事から離れる(psychological detachment)ことが、疲労からの回復に重要だと示されている(Sonnentag & Fritz, 2007)。休日にメールを確認し、月曜の準備を頭の中で繰り返していると、体は休んでいても、心は休めていない。
週末に本当に休めていない人ほど、日曜の夜は「回復しきれないまま、また始まる」という感覚になりやすい。
日曜の夜を軽くする三つのこと
- 金曜に「月曜の最初の一手」を決めておく:月曜の朝にやることを一つだけ書いて帰る。頭の中で何度も予行演習しなくてよくなる
- 日曜の夜に、小さな楽しみを置く:好きな食事、映画、散歩。日曜の夜を「週末の終わり」ではなく「一つのイベント」にする
- 週末は、仕事の通知を切る:確認しないと決めることで、心理的に離れる時間を作る
それでも毎週、日曜の夜が耐えられないほど重いなら、対処の問題ではなく、環境の問題かもしれない。何が平日に足りていないのかを、一度書き出してみてほしい。
今日のワーク
- 今週末、自分で選んでやったことを三つ書く
- 平日、それに近いことをできている時間はあるかを考える
- 日曜の夜の重さを、10点満点で記録する。4週間続けると、何が影響しているかが見えてくる
日曜の夜の憂うつは、怠け心ではない。
週末に満たされていたものが、平日には足りていない。その差を知らせるサインだ。
参考文献・出典
Stone, A. A., Schneider, S., & Harter, J. K. (2012). Day-of-week mood patterns in the United States: On the existence of 'Blue Monday', 'Thank God it's Friday' and weekend effects. The Journal of Positive Psychology, 7(4), 306–314.
Ryan, R. M., Bernstein, J. H., & Brown, K. W. (2010). Weekends, work, and well-being: Psychological need satisfactions and day of the week effects on mood, vitality, and physical symptoms. Journal of Social and Clinical Psychology, 29(1), 95–122.
Sonnentag, S., & Fritz, C. (2007). The Recovery Experience Questionnaire: Development and validation of a measure for assessing recuperation and unwinding from work. Journal of Occupational Health Psychology, 12(3), 204–221.