ブルーライトカットの眼鏡は、目の疲れに効くのか
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一日中パソコンに向かうと、夕方には目が重くなる。ブルーライトカットの眼鏡をかければ、楽になるのでしょうか。
結論から言うと、目の疲れを減らすという点では、はっきりした効果は確認されていません。それより効きそうなのは、もっと地味な方法でした。
目次
研究をまとめると、目の疲れへの効果は確認されなかった
ブルーライトをカットするレンズについてのランダム化比較試験をまとめたコクランレビュー(2023年)では、パソコン作業による目の疲れを減らす効果について、ふつうのレンズと比べて、短期的な利点はおそらくないと結論づけています [1]。
睡眠への効果は研究によって結果が分かれていて、確かさは非常に低いとされました。目の健康(黄斑)を守るかどうかについては、調べたランダム化比較試験がありませんでした。
かけて害があるという結果もありません。ただ、「目の疲れのために買うもの」としては、根拠が足りないのが現状です。
子どもには、勧められていない
日本眼科学会や日本眼科医会などは、2021年に、子どもにブルーライトカット眼鏡をかけさせることについて「慎重意見」を出しています [2]。
パソコンやスマホの画面から出るブルーライトは、曇りの日の屋外の光や窓越しの日光より少なく、網膜を傷つけるほどではないこと。そして、子どもの発育には太陽の光が必要で、光をさえぎることがかえって悪影響になるおそれがあること。そうした理由から、装用を勧める根拠はないとしています。
POINT
目の疲れの原因は、光の色より、画面を見続けること自体にあるのかもしれない。
効きそうなのは「休憩」
よく知られているのが「20-20-20ルール」です。20分ごとに、20フィート(約6m)先を、20秒見る、という休憩のとり方です。
パソコン作業をする人に、このルールを思い出させるソフトを2週間使ってもらった研究では、休憩の回数が増え、目の疲れやドライアイの症状が減りました。ただし、ソフトを使うのをやめて1週間たつと、その改善は続いていませんでした [3]。
つまり、休憩は効きそうだが、続けなければ元に戻るということです。
画面を見るときにできること
- 休憩を仕組みにする:タイマーやアプリで、20分ごとに遠くを見る時間を作る
- まばたきを意識する:画面に集中すると、まばたきが減って目が乾きやすい
- 寝る前は画面を控える:「朝型と夜型は、変えられるのか」で書いたように、夜の光は体内時計を遅らせることがある
- 見る時間そのものを減らす:「SNSを見る時間は、減らしたほうがいいのか」
目の痛みやかすみが続く場合、見え方が急に変わった場合は、眼科を受診してください。
参考文献
1. Singh S, et al. (2023). Blue-light filtering spectacle lenses for visual performance, sleep, and macular health in adults. Cochrane Database of Systematic Reviews, CD013244.
2. 日本眼科学会, 日本眼科医会, 日本近視学会, 日本弱視斜視学会, 日本小児眼科学会, 日本視能訓練士協会. (2021). 小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見.
3. Talens-Estarelles C, et al. (2023). The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule. Contact Lens and Anterior Eye.